ガーゴイルゲッコーのモルフの種類や特徴

ガーゴイルゲッコーの大きな魅力のひとつでもあるモルフ。

モルフ(morph)は直訳すると「変態、異形態」という意味を持ちますが、ガーゴイルゲッコーをはじめ、爬虫類界では「品種」や「模様」といった意味合いで用いられます。

ガーゴイルゲッコーはモルフのバリエーションが豊富な種類でもありますので、ここではモルフについて詳しくご紹介します。

ガーゴイルゲッコーのモルフの構成・種類・特徴

モルフの構成

ガーゴイルゲッコーのモルフは、主に以下3つの要素で構成されています。

1つ目は、ガーゴイルゲッコーの背中に見られる主な模様の【ベースパターン】。2つ目が、そのベースパターンの色を表す【パターンカラー】。3つ目が、ガーゴイルゲッコーの身体全体の基本色を表す【ベースカラー】

以上の3つが主たる構成で、それに加えて部分的な特徴を持つ個体もいます。

モルフの種類【ベースパターン】

①ストライプ / stripe

首から尾の付け根まで縦線がみられる模様を「ストライプ」と呼びます。
ガーゴイルゲッコーにおいて最もよくみられるベースパターンの一種ですが、厳格な定義はないため、縦縞がぼやけていたり曖昧であってもストライプと呼ばれることがあります。
 

②スーパーストライプ / super stripe

手足や尾を含めたすべてが縞模様であり、首から尾の付け根までの縦縞が4〜6本みられるものを「スーパーストライプ」と呼びます。
ただし、確立されたベースパターンではないため、この要件を満たさなくてもスーパーストライプと付けられている場合があります。
 

③レティキュレート・マーブル / reticulate・marble

網目状のベースパターンは「レティキュレート」と呼ばれ、ストライプと同等によくみられるパターンの一種です。また、特に日本では同パターンを大理石の模様にもみたて、「マーブル」とも呼ばれます。
かつては自然界でのノーマルパターンだと考えられていたベースパターンでもあるため稀に「ノーマル」と表現されることもありますが、自然界ではこれ以外のパターンもあることから、ノーマルパターンとしては用いられなくなりました。
 

④バンディッド / banded

首から尾にかけての縦縞をストライプと呼ぶのに対し、横縞パターンを「バンディッド」と呼びます。
また、そのなかでも特にギザギザな横縞パターンが綺麗に出ているものを「オルタナ(alterna)」と呼びます。
 

⑤モザイク / mosaic

稀なパターンの一種であり、ストライプ・レティキュレート・バンディッドが噛み合ったパターンを「モザイク」と呼びます。
 

⑥モットルド / mottled

網目状のレティキュレートにある程度の均一性が表れているものを「モットルド」と呼びます。
和訳では「斑(まだら)」と訳されますが、そのパターンは他のパターンとも区別がしづらいこともあってか、パターンとして確率もされづらく、稀なパターンの一種とされています。
 

ブロッチ / blotch

和訳で「染み」という意味を持つ「ブロッチ」は、レティキュレートもしくはバンディッドで表れるレッドもしくはオレンジの斑点のことです。その模様から「スポット」と呼ばれることもあります。
 

スーパーブロッチ / super blotch

ブロッチと比べて、より大部分を占めるパターンカラーを「スーパーブロッチ」と呼びます。しかし、その定義は明確ではないため、身体のどの程度を占めるとスーパーが付く、といった決まりはありません。
 

モルフの種類【パターンカラー】

①レッド / red

ガーゴイルゲッコーにみられる主なパターンカラーの一種である「レッド」は、明るい赤から暗めの赤までを指します。
ベースパターンにもよりますが、このパターンカラーがベッタリと血のような赤色をもつ個体は人気も高く、ガーゴイルゲッコーのなかでは高価格帯で扱われることが多いです。
 

②オレンジ / orange

色の系統としてはレッドと同じ「オレンジ」ですが、ガーゴイルゲッコーのパターンカラーとしては明確に区別されています。
 

③ベーコン(レッド&オレンジ)/ bacon

レッドとオレンジの両方を兼ね備えたパターンカラーを「ベーコン」と呼びます。
幼体時にベーコンだったとしても成長するにつれてレッドかオレンジに変わることが多いため、幼体時での判断は困難です。
 

④ホワイト / white

一般的にストライプにみられるパターンカラーのひとつですが、レッドやオレンジほど明確ではなく、ベースカラーの発色が強いときに分かりやすくなるパターンカラーです。
 

モルフの種類【ベースカラー】

①レッド / red

発色が強いときにはレッド、通常時はピンクであるものは「レッド」に分類されます。このベースカラーは幼体時では発達していないことも多いため、成体になるまでは判断が困難です。
 

②ピンク / pink

通常時で淡いピンク、発色時には濃いピンクなベースカラーは「ピンク」に分類されます。このベースカラー「ピンク」の場合、特徴のひとつであるアイリングは一般的に「レッド」になります。
 

③オレンジ / orange

レッドとの区別が難しい「オレンジ」はお腹部分をみると判別がしやすいといわれています。
 

④イエロー / yellow

通常時でイエロー、発色時には茶色味がかったものは「イエロー」とされています。成長するにつれて表れることが多いため、幼体時での判断は難しいとされています。
 

⑤ホワイト / white

発色時でも他のカラーが発色されない白基調で、通常時ではベースパターンもほぼみられないベースカラーを「ホワイト」と呼び、「ゴースト」と表されることもあります。
 

⑥ブラウン / brown

通常時はイエローと近しい色合いながら、発色時は茶色味が強くなるベースカラーを「ブラウン」と呼び、ベースカラーのなかでも一般的なカラーの一種です。
 

モルフの特徴

①誇大角 / exaggerated horns

ガーゴイルゲッコーの特徴のひとつである頭部の突起物が特に誇張されたものは、注目すべきポイントのひとつです。
一般的に幼体時は、角が短く丸みを帯びた頭ですが、成体になるにつれて目立つようになります。
 

②アイリング / eye rings

「アイリング」は常時、眼の周りの隆起した部分に色味が出ることで、一般的にはイエローであることが多いです。
赤いアイリングもあり、その姿は非常に美しく眼・顔を彩ります。オレンジもあるようですが、非常に珍しいものとされています。
 

③ファントムアイ / phantom eye

眼の虹彩部が黒く表れることを「ファントムアイ」と呼びますが、その特徴はまだ解明されておらず、幼体時には表れないといわれています。
珍しい特徴ともされていますが、我が家の3匹中2匹がファントムアイなので、極めて珍しいというほどではないと思います。

モルフの特徴 ファントムアイ

④赤面 / blush

色の濃い個体でよくみられるガーゴイルゲッコーの特徴のひとつで、口の端のすぐ後ろ・眼の下あたりから表れます。
「涙(tear)」と表現されることもあり、その色はパターンカラーと同じ色合いで表れることが多いです。
 

モルフの呼称

上記で挙げたモルフの内容をふまえ、日本でよく表されるモルフの呼称は以下の通りです。
 

ストライプ系

レッドストライプ・オレンジストライプ、というように【パターンカラー+ベースパターン】で表記
 

レティキュレート・マーブル系

ホワイトマーブル・イエローマーブル、というように【ベースカラー+ベースパターン】で表記
 

ブロッチ・スポット系

レッドブロッチ・オレンジスポット、というように【パターンカラー+ベースパターン】で表記
 

「スーパー」の有無

上記のベースパターンにあるスーパーストライプ、スーパーブロッチのほか、赤やオレンジの彩度が高い場合でも色にスーパーを付ける意味合いで「スーパーレッドストライプ」などと表される場合もあります
 

ガーゴイルゲッコーのモルフは成長具合によっても変化するため、成体になるまでは参考程度に捉えるようにしましょう。

 

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